膠原病(こうげんびょう)・関節リウマチは免疫機能の誤作動
人間の体は細菌などの外敵から身を守るため、外敵が体内に入るとこれを攻撃して排除しています。
ところが、自分の体を外敵と勘違いして攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患です。膠原病(こうげんびょう)も自己免疫疾患のひとつですし、関節リウマチも膠原病の1種で自己免疫疾患です。
自己免疫疾患に含まれる病名を挙げると、おそらく聞いたこともない名前ばかりでしょう。
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- シェーグレン症候群(SS)
- 全身性強皮症(SSc)
- 成人スチル病
- 多発性筋炎
- 皮膚筋炎
- 混合性結合組織病(MCTD)
- ベーチェット病
- 結節性多発性動脈炎
などがあります。
自己免疫疾患は女性に圧倒的に多い
シェーグレン症候群や混合性結合組織病は90%以上が女性、強皮症も男:女=1:7です。多くの病名を挙げましたが、膠原病や自己免疫疾患を疑うべく共通している症状があります。
発熱や全身倦怠感に加えて、次のような症状が見られる時は、自己免疫疾患の可能性があるかもしれません。
自己免疫疾患の疑いがある症状
- 関節痛や起床時に指の関節のこわばりがある場合・・・・リウマチやSLE、MCTD、SS、SSc
- 寒いときに指が白くなったり紫になる・・・・膠原病でよく見られます。(レイノー現象や紅斑などの皮膚症状)
- 食欲不振、体重減少・・・・膠原病
- 筋力の低下・・・・多発性筋炎
- 口や喉の渇き、ドライアイ・・・・シェーグレン症候群
膠原病では採血をして、抗核抗体(ANA)を調べれば、70%くらいの人が(+)になりますが、専門医の問診や視診、触診、その他の検査が決め手になることもあります。
倦怠感などは他の病気でも見られる症状ですし、膠原病は患者数が少ないので、専門医が診察しないと診断は難しいです。5つ6つの病院を回って、やっと診断がついたケースも多いです。
いつまでも良くならない上記のような症状がある人は、膠原病内科への受診をお勧めします。