がん免疫細胞療法とは

がんは、がん細胞の増殖によって起こります

がん細胞は、正常な細胞が異常をきたしてがん化するものであり、このこと自体は、私たちの体内で日常的に起こっています。通常は、私たちの体内に備わっている免疫系が、ガン化した細胞を速やかに退治してくれるため、がん細胞の増殖が抑制されます。しかし、免疫系が弱っている場合には、退治されないがん細胞が増えて増殖し、抑えきれなくなって腫瘍化し、がんとなるのです。

 

がん免疫細胞療法とは

がん患者さんの体内の免疫系を飛躍的に高めることによって、がんの縮小・消滅、がんの進行を遅らせる、再発を予防するなどを目的とする治療法です。
従来の手術、化学療法(抗ガン剤による治療)、放射線療法の三大療法に対して、第4療法と呼ばれたりもします。

 

がん手術は負担もリスクも多い

手術は、がんを縮小させるという点で非常に効果が大きいですが、常に採用できるわけではありません。がんの境界が明瞭でない場合は難しいです。また、体力が落ちている患者さんには負担が大きいため手術を適用できない場合があります。

 

化学療法や放射線療法もリスクは多い

化学療法や放射線療法は、がん細胞にのみ効けばよいのですが、通常細胞まで傷つけてしまうことが多いため、副作用がつらいというのが大きな短所です。これに対して、がん免疫細胞療法は、副作用がなく、体への負担もほとんどないのが特徴です。ただし、がん免疫細胞療法は、保健の適用がないため、自費での治療となり、かなり高額になってしまうのが最大の欠点です。

 

活性化リンパ球療法

がん免疫細胞療法としてよく知られているのが、活性化リンパ球療法と呼ばれるものです。リンパ球は、がん細胞を攻撃する免疫細胞であり、このリンパ球を増殖してやることにより、免疫力をアップさせようとするものです。
具体的には、患者さんの血液を採取し、その中のリンパ球の数を培養によって劇的に増やし、培養したリンパ球を体内に戻します。