免疫抗体はIgG、IgA、IgM、IgD、IgE

免疫抗体「グロブリン」

人の体内では、数100万~数億種類ものB細胞がそれぞれ異なる抗体を作り出しています。
一種類のB細胞は、一種類の抗体しか作れないし、一種類の抗体は一種類の抗原しか認識できません。「抗体」と言う名称は、抗原に結合するという機能面からの名称で、物質としては免疫グロブリンで、Igと略されます。免疫反応によりできた免疫抗体の物質が免疫グロブリンと言う訳です。

 

免疫抗体は5種類。IgG、IgA、IgM、IgD、IgE

免疫グロブリン(免疫抗体)は構造の違いにより5種類のクラスに大別されます。
IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つです。
このうちアレルギーに関与している免疫グロブリン(免疫抗体)は、IgEとIgG、IgMです。

 

IgEはⅠ型アレルギーに関与

Ⅰ型アレルギーは即時性アレルギーやアナフィラキシー型とも言われています。
抗原が体内に侵入すると15~30分で反応します。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、一部の薬物アレルギー、一部のじんま疹などはⅠ型アレルギーです。

 

IgGはⅡ型アレルギーとⅢ型アレルギーに関与

Ⅱ型アレルギーは数分から数時間で反応する細胞傷害型アレルギーで、自己免疫性貧血(AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、Rh不適応妊娠、慢性甲状腺炎(橋本病)などが該当します。
IgGは胎盤を通過する免疫グロブリン(免疫抗体)です。Ⅲ型アレルギーは血友病、ループス腎炎、急性糸球体性腎炎などが該当します。

 

IgMはⅡ型アレルギーに関与

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型は液性免疫ですがⅣ型は細胞性免疫による反応で、反応時間は24~48時間で遅延性です。

 

免疫機能によってつくられた最高の武器が免疫抗体

このように、本来は異物の進入から体を守るために機能し体に有利に働いている免疫反応が、病的に機能して体に不利に働くのがアレルギーです。
そして、免疫反応により作られた抗体が免疫抗体です。