免疫療法とは、ガン患者さんの免疫力をアップさせることによって、ガンの消滅、縮小等を目的に行う療法です。
免疫療法の説明を行う前に、まず、ガンの発生の仕組みについて説明します。
- 正常な細胞が何らかの原因によって異常をきたすと、ガン細胞となります。このガン細胞の発生自体は、どの人の体内でも普通に起こっている現象です。
- 通常は、人間に備わっている免疫システムによって、ガン細胞が発見されると、速やかにこのガン細胞を退治します。そのため、ガン細胞の増殖は起こらず、ガンが生じていないのです。
- しかし、免疫システムが弱ったときには、一部のガン細胞が免疫システムをかいくぐって生き延び、それが増殖して腫瘍となります。
- これがガンなのです。ガンの種類にもよりますが、ガンが大きくなるということはガン細胞が日ましに増殖するということであり、こうなると免疫システムでは抑えきれなくなります。
免疫療法では、ガン患者の免疫力を大幅にアップさせて、増殖するガン細胞を抑えます。さらには、強化された免疫力によってガンを縮小、消滅させることも可能な場合もあります。
リンパ球を増やす方法「活性化リンパ球」
免疫療法の中で最も一般的なのは、活性化リンパ球という方法です。ガン患者の血液を採取し、その中の、ガン細胞を攻撃する免疫細胞であるリンパ球を増殖させてその数を大幅に増やしてから、患者さんに増やしたリンパ球を戻す方法です。この方法では、患者さんには特に負担はかからず、副作用もありません。
免疫療法は、現段階では保険が効きません
そのため治療費用は全額自費となり、費用面でかなりの負担を強いられます。例えば、上記の活性化リンパ球では、例えば、１回のリンパ球注入に２０万、これを４回で１クールとなっており、１クールで１００万円程度の出費を覚悟しないといけません。
免疫療法の有効性が実証され、保険の対象となることが切に望まれます。