熱を下げたいのはよくわかるけど発熱は必要なことだったりする。
どうして風邪をひくと「発熱」するんだろう?
寒くなってきて、まわりには「風邪ひいた〜」って人が増えてきたよね。
そーだねー
風邪って、咳とかくしゃみとか、頭痛とか、いろんな症状がでるけど、いちばんつらいのは「発熱」だなぁ。
熱が高いとふらふらしちゃう
解熱剤を飲んで、「発熱」を引っ込めたいよね〜。ほんと発熱だけはカンベンしてほしー
風邪で発熱してる時、それは体がウイルスと戦ってる時。
いやいや。発熱にはとっても大切な意味があるんですよ。
え?だって発熱は困ることでしょ?風邪の諸症状の中でも一番やだ。
発熱は「体が風邪のウイルスと優位に戦う」ために必要なことなんですよ。
ウイルスと戦うのは「風邪薬」でしょ?風邪の諸症状を緩和って書いてあるし
う〜ん。なるほど。そうお考えですか。
では、すこーし解説しましょう。
クシャミやせきは、体の「ウイルス追い出し」行為
風邪やインフルエンザの多くは、ウィルスが鼻や口から侵入することによって引きおこされるんです。
だから、手洗いやうがいが風邪の予防になるのよね。
マスクをしたりも予防になるよね
そうです。
でも、体にウイルスが入ってしまうと、どうなるでしょう?
え?熱が出たり、せきが出たり?
そうです。でもなぜ「せき」「くしゃみ」「鼻水」がでるのでしょうか?
う〜ん…
それは、体が「ウイルスを外に出そう」としているからなんです。
鼻やのどの免疫細胞は粘液を出して、侵入して来たウィルスを殺したり洗い流したりしてくれています。
黄色くなった痰(たん)や鼻水はウィルスの死骸やまだ生きているウィルスを集めたものなのです。
だからクシャミ・咳や鼻水を薬で止めようとすることは
「ウイルスを体の外に出さず、とどめてておくこと」と同じなのです。
空気が乾燥していたり、食事がかたよって栄養バランスが悪くなったりすると、鼻やのどの粘膜が弱ってきます。
そうなるとウィルスをブロックする働きが弱まってしまい、のどの奥の細胞に入り込んできてしまいます。
ウィルスの増殖は猛スピードで行われ、
1時間後には100個
1日後には100万個になります。
免疫システムはそれを体外へ流し出そうとがんばります。
あまりにも咳や痰が激しくなれば薬も有効ですが、風邪は早いうちに
- 十分な睡眠、休養
- 栄養
に気をつけて、ひどくなる前に完治させましょう。
「発熱」はウイルスを弱らせ、免疫を頑張らせてくれる
血液中の白血球は免疫物質マクロファージとよばれて
侵入してきたウィルスを食べるのが仕事なんです
ひゃー!大変な仕事だー
体温が上がると、マクロファージは元気になってウィルスを退治する力が強くなります。
そうなんだー。
ウィルスは体温が35~36℃の状態を好みますが、発熱でそれ以上の体温になると増えなくなってきます。38.5℃以上の体温になるとウィルスや細菌は死滅してしまいます。
じゃあ38度くらいまでは解熱剤飲まないほうがいいのかな?
38.5℃以上の体温は体内に潜んでいる他のウィルスやガン細胞まで死滅させてくれるので、時々は発熱をした方がいい、という考え方もあります。
でも、熱が出ると体のあちこちが痛くなったりするでしょ?あれはいいの?
出歩かずしっかり休みなさい!というメッセージですね。「ウィルス退治に専念しろ」という信号だといわれてます
やっぱ休養が一番なのねぇ
38℃後半~39℃を超えてしまうような場合には、脳炎などを併発する場合もあるので解熱剤を飲みましょう。
風邪やインフルエンザの原因となるウィルスは200種以上も確認されています。
インフルエンザウィルスはこの頃は特効薬が開発されていますが、風邪などのウィルスそのものを退治する方法や薬はまだ確立されていません。
病院へ行っって処方される薬は
- 鼻水がひどければそれを緩和する薬
- 咳がひどければそれを緩和する薬
- 熱が高ければそれを緩和する薬
といった対症療法がメインです。
基本的にウィルスを退治するのは、自分自身の「免疫」です。
十分な睡眠と休養をとり、栄養をしっかりと摂取して、自身の免疫力を高めることが何よりも大切です。